鍼灸院のホームページ
よくある6つのつまずきと直し方

腕も人柄も良い院なのに、ホームページでは伝わりきっていない。そんな形には、いくつか決まった型があります。架空の鍼灸院を例に、改修前と改修後を並べて、どこをなぜ直すのかを説明します。

注意の印が出ているスマホの画面を見ながら、ホームページの直す所を考える鍼灸院の院長の絵

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このコラムでは、業種ごとに「ホームページでよくあるつまずき」と、その直し方をまとめていきます。1回目は鍼灸院です。ホームページはあるのに、予約や問い合わせにつながっている気がしない。そんな院長に向けて書いています。

はじめにお断りしておくと、ここに出てくる「こもれび鍼灸院」は架空の院です。実在の院の改修例ではありません。鍼灸院のホームページで実際によく見かける形を組み合わせて、「改修前」を作りました。料金や時間などの数字も、説明のための仮のものです。

読みながら「うちもこうなっているかも」と思う所があれば、記事の最後のチェック表で確かめてみてください。

忙しいときは まずこの3つ

  • 開いてすぐの画面に、院の場所が出ているか
  • 初回に合計いくらかかるか、ひと目で分かるか
  • 電話かネットか、予約の方法がすぐ分かるか

6つのつまずきは
どこで起きるか

患者さんが鍼灸院を見つけてから予約するまでには、おおまかに4つの段階があります。6つのつまずきは、この道のりのあちこちに散らばっています。

予約までの4つの段階の図。探す・開く・確かめる・予約するの4つが矢印でつながっている。
患者さんが予約するまでの4つの段階です。つまずきは「探す」で4と5、「開く」で1、「確かめる」で2と3と6が起きます(番号はこのあとの見出しの番号)。

改修前と改修後の
最初の画面

スマホでホームページを開いたとき、最初に見える部分です。改修前と改修後の見本を並べています(スマホでは上が改修前、下が改修後です)。

改修前の見本(よくある形)

改修後の見本

※画面はこの記事のために作った見本です。院の名前・場所・料金はすべて架空です。見本の院が刺さない鍼を使っているというだけで、刺す鍼と刺さない鍼のどちらが良いという話ではありません。

改修前の形も、作られた当時はよく使われていた、きちんとした形です。院長の思いもこもっています。改修後で変えたのは、色や飾りよりも「最初の画面で何が分かるか」です。初めての人がまず知りたい「何の院か」「どこにあるか」「いくらか」「どうやって予約するか」を、スクロールしなくても見える所に集めました。

このあと、直したところごとに「導線」と「流入」という言葉が出てきます。導線は、ホームページを開いた人が予約までたどり着く道のりのこと。流入は、検索やGoogleマップなど、ホームページに来るまでの入口のことです。では、6つのつまずきを1つずつ見ていきます。

自分の院の最初の画面がどう見えているか、外から確かめてお伝えすることもできます。無料のかんたん診断について

1.最初の画面が気持ちの言葉だけ

よくある形 「本気で体を変えたいあなたへ」のような呼びかけと、思いを込めたキャッチコピーが大きく並んでいる。場所や予約の方法は、ずっと下にある。

院長の思いが込められた言葉は、院を選ぶ決め手になる大切な部分です。ただ、ホームページを開いた人の多くは、まだ「この院に行くかどうか」を決めていません。頭の中にあるのは「近いのか」「いくらなのか」「どんな施術なのか」といった、もっと手前の疑問です。そこに答えがないと、思いの文章まで読み進める前に閉じてしまう人が出てきます。だからこそ、手前の疑問に先に答えて、思いの文章をしっかり読んでもらえる場所に置きたいのです。

スマホの最初の画面に置く4つの図。最初の画面の枠の中に何の院か・場所・初回の合計料金・予約の方法が並び、枠の外の下に院長の思いがある。
最初の画面には初めての人が知りたい4つの答えを置き、院長の思いはすぐ下に移します。

直し方 最初の画面には、何の院か・場所・初回の料金・予約の方法の4つを置く。思いを伝える文章は、そのすぐ下の「院長より」に移す。

効くところ 開いてすぐ閉じる人を減らす(導線)

業種を問わず、ホームページに載せておきたい基本の情報は「小さなお店のホームページに最低限必要な6つの情報」にまとめています。

2.初回の料金がいちばん下にある

よくある形 料金はページの最後か、別の「料金」ページにだけ載っている。しかも「カウンセリング料」と「施術料」が別々に書かれていて、初回に合計いくらかかるのかは自分で足し算しないと分からない。

鍼灸に初めて行く人にとって、料金は大きな不安の1つです。見つからない、または計算しないと分からないと、「高いのかもしれない」と思われたまま、電話をためらわれてしまいます。

金額を下げる話ではありません。合計が分かるだけで、初めての人は安心して問い合わせできます。2025年に国(厚生労働省)が出した鍼灸院などの広告のガイドラインでも、ホームページには自費の施術の内容や費用、回数券の中身を載せるべきだとされています。

初回は合計で見せる図。左は3,000円と6,000円を足すと?で迷う人、右は初回合計9,000円の札を見て安心する人。
金額は同じでも、合計を先に見せるだけで「結局いくら?」の迷いがなくなります(金額は架空です)。

直し方 「初回は合計〇円・時間はおよそ〇分」と、足し算を済ませた形で最初の画面に出す。くわしい内訳と、回数券の回数・有効期限などは、別のページに回したり小さな文字にしたりせず、料金や回数券を案内している所に、ほかの説明と同じ大きさの文字で書く。

効くところ 初めての人が安心して問い合わせできる(導線)

3.時間表の記号の意味が表の外にある

よくある形 受付時間の表に「○」「※」「▲」が並び、意味はページのずっと下に小さく書いてある。「休み」なのか「予約制」なのか「午後だけ」なのか、表だけでは分からない。

電話をかける前に、多くの人が時間表を見ます。ここで迷うと「今日はやっているのかな」と不安になり、電話をためらう原因になります。院の側では当たり前の記号でも、初めての人には読めません。

もう1つ、鍼灸院でよく見かけるのが「診療時間」「休診日」という言葉です。国のガイドラインでは、鍼灸院の広告で「診療」「休診」のように医療と紛らわしい言葉は使えないとされ、「施術時間」「受付時間」「休み」などと書きます。ホームページも同じ言葉にそろえておくと、チラシを作るときにそのまま使えます。

記号より文字で書く図。左は月火水の欄に○と※と▲だけの時間表で迷う人、右は受付・休み・予約のみと文字で書いた時間表で納得する人。
時間表の記号を「休み」「予約のみ」などの文字に置きかえます。

直し方 記号を使わず「休み」「予約のみ」と文字で書く。休みの曜日は表の外にも一行で書く。Googleマップに出ている院の時間とも合わせる(自分で登録した覚えがなくても、院の情報が出ていることがあります)。

効くところ 電話の前の迷いを減らす(導線)・マップから来た人との食い違いをなくす(流入)

4.お知らせ欄が何年も前で止まっている

よくある形 トップページの「お知らせ」の最新が、何年も前の臨時休診の案内。ブログは毎週書いているのに、トップでは目立たない場所にある。

初めて来た人は、日付を見て「今もやっているのかな」と感じることがあります。せっかくブログを続けていても、それが伝わらないのはもったいないことです。

もう1つ見落としやすいのが、ブログの記事から予約への道です。季節の体の整え方のような記事は、検索から読まれることがあります。ところが記事の最後に予約の案内がないと、読んだ人はそのまま帰ってしまいます。

直し方 終わった休診のお知らせは外し、新しいブログ記事をトップにカードで並べる。どの記事の最後にも、初回の案内と予約のボタンを置く。

効くところ 「今も元気にやっている院」と伝わる(信頼)・ブログを読んだ人を予約につなぐ(流入から導線へ)

5.症状のページが入口になっていない

よくある形 「頭痛」「腰痛」などの症状別のページはあるが、トップのいちばん下にリンクが並んでいるだけ。症状のページには、料金も予約の方法も書かれていない。

鍼灸院を探す人は、「地域の名前と症状」で検索することがあります。そのときに最初に開かれるのは、トップページではなく症状のページかもしれません。症状のページに場所・料金・予約の方法がないと、その人はもう一度トップを探しに行くことになります。

また、スマホで長い文章が続くと、自分の悩みにたどり着く前に疲れてしまいます。

なお、症状の名前を並べられるのはホームページだからこそです。チラシや看板、検索結果に出すお金を払った広告では、症状の名前は載せられない決まりになっています。ホームページの文章をそのまま広告に使わないよう気をつけます。

どのページにも予約の入口の図。ブログ記事と症状のページのどちらの下にも予約するボタンがあり、どちらも予約ページにつながっている。
検索から来た人は、トップではなくブログや症状のページから入ってきます。どのページにも予約の入口を置きます。

直し方 トップの上のほうに「お悩みから選ぶ」入口を置く。症状のページそれぞれに、場所・初回の料金・予約ボタンを入れる。症状のページの文章は、その症状に合わせた中身にする(どのページも同じ文章にしない)。

効くところ 検索から来た人を迷わせない(流入)・自分の悩みのページにすぐ行ける(導線)

検索やGoogleマップでの見え方そのものは「Googleマップには出るのに ホームページが検索に出てこない理由」で説明しています。

6.宣伝の言葉が強すぎる

よくある形 「どこに行っても治らなかった痛みが完治」「必ず改善します」「地域一の名医」「口コミで地域1位」のような言葉が、キャッチコピーや体験談の見出しに並んでいる。

ここは、見た目の話とは別に、いちばん気をつけて直しているところです。はじめにお伝えしておくと、今のホームページが違反だ、という話ではありません。

鍼灸院のチラシや看板などの広告は、法律(あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律。よく「あはき法」と呼ばれます)で、載せてよい内容が決められています。2025年2月には、国(厚生労働省)がその考え方をまとめたガイドラインを出しました。

このガイドラインでは、院のホームページは、原則として法律でいう「広告」には当たらないとされています。そのうえで、ホームページにも載せるべきでない内容が示されています。たとえば次のようなものです。

  • 本当だと証明できない言い切り(「絶対に治る」など)
  • ほかの院と比べて自分の院が上だと示す言葉(「口コミサイトで1位」など)
  • 大げさな言葉や、すぐに来院するよう強くあおる言葉
  • 加工した施術前・施術後の写真

また、検索結果の上に出るお金を払った広告や、条件に当てはまるSNSの投稿は「広告」として扱われます。ホームページでは書けても、広告では書けない言葉があるので、ネット広告を出すときは特に気をつけます。

さらに、こうした有料広告からリンクしている院のホームページも、広告と一体のものとして、条件に当てはまれば広告の決まりの対象になります。広告を出すときは、広告の文章だけでなく、リンク先のページの内容も合わせて確かめます。

院のホームページ

原則として「広告」には当たらない(有料広告のリンク先は対象になることも)

載せるべきとされていること

  • 自費の施術の内容と費用
  • 回数券などの中身
  • 施術のあとに起こりうること
  • 問い合わせ先

載せるべきでないとされていること

  • 証明できない言い切り
  • ほかの院と比べる言葉
  • 大げさな言葉・あおる言葉
  • 加工した施術前後の写真

チラシ・看板・検索の有料広告

「広告」として扱われる(条件に当てはまるSNSの投稿も)

載せられるのは決められた項目だけ

  • はり師・きゅう師であることと名前
  • 院の名前・電話・場所
  • 施術の日と時間・予約のこと
  • 駐車場のこと など

載せられない例

  • 症状の名前
  • 施術者の技能・施術の方法・経歴
  • 「診療」「休診」などの言葉
厚生労働省「あはき・柔整広告ガイドライン」(2025年2月)の考え方を、この記事に関わる所だけ抜き出して並べたものです。すべての項目ではありません。

改修では、言い切りや比べる言葉をやめて、院の中で実際にしていることを、事実として書く形に置きかえます。

よくある言葉置きかえの例
その痛み必ず改善します初回は、体の状態と施術の進め方をご説明してから始めます
根本から治します初回は、お話を伺う時間を40〜60分とっています(実際の時間を書く)
地域一の名医はり師・きゅう師の免許を持つ院長が、1人で施術します(事実を書く)
口コミで地域1位載せない(ほかと比べる言葉にあたるため)
まったく痛くない鍼実際に使っている鍼をそのまま書く(例:刺さない鍼を使います/髪の毛ほどの細い鍼を使います)

体験談は、患者さんとの信頼の証でもあります。消すかどうかではなく、どう載せるかを院長と一緒に考えます。見直すのは見出しだけではありません。「完治」「劇的に」のような言い切りが入った見出しを外すことに加えて、院に都合のよい感想だけを選んで並べていないか、お礼を渡して良い感想だけが集まるようにしていないかも確かめます。ガイドラインでも、こうした載せ方は避けるべきとされています。患者さんに載せてよいかも改めて確かめ、迷うものは載せるのを見合わせます。判断に迷うときは、院のある地域の保健所などの窓口に確かめます。

反対に、ガイドラインがホームページに載せるべきとしている内容もあります。施術の内容と費用、回数券の中身、そして施術のあとに起こりうること(だるさが出ることがある、など)です。ここが抜けている院は多いので、改修のときに院長に伺って書き足します。

直し方 言い切り・比べる言葉を事実に置きかえる。体験談は見出しだけでなく、選び方と載せ方も見直す。費用と施術のあとに起こりうることを書き足す。どこまで変えるかは院長と一緒に決める。

効くところ 決まりが変わっても書き直しが少なくて済む(安心)・落ち着いた院だと伝わる(信頼)

ここに書いた置きかえは、言葉選びの例です。載せてよいかどうかの判断ではありません。この記事の広告の決まりについての説明は、厚生労働省「あはき・柔整広告ガイドライン」(2025年2月18日)の、主にⅥ章(インターネット上のウェブサイト等について、本文31〜37ページ)をもとにしています(2026年11月5日に確認)。ガイドライン本文(PDF)・厚生労働省の案内ページ。くわしくは、院のある地域の保健所などの窓口や、弁護士などの専門家にご確認ください。

6つの改修のまとめ

直したところ初めての人の気持ちねらい
最初の画面何の院?近い?導線
初回の料金結局いくら?導線
時間表今日はやってる?導線・流入
お知らせ欄今もやってる?信頼・流入
症状のページ私の悩みも診てもらえる?流入・導線
言葉づかい話がうますぎない?安心・信頼

色や写真を新しくするのは、この6つを整えたあとで十分です。

うちの院でも確かめるチェック表

スマホで自分の院のホームページを開いて、確かめてみてください。当てはまるものがあっても、すぐに作り直す必要はありません。多くは、今のホームページのまま直せることです。

  • 開いてすぐの画面に、場所・初回の料金・予約の方法がない
  • 初回にかかる合計の金額が、ひと目では分からない
  • 時間表に、意味の書かれていない記号がある
  • お知らせの最新の日付が、1年以上前になっている
  • ブログや症状のページの最後に、予約の案内がない
  • 「必ず」「完治」「名医」「地域1位」などの言葉がある
  • 施術のあとに起こりうること(だるさなど)や、回数券の中身が書かれていない
  • 「診療時間」「休診日」と書いている

このチェック表は、今の制作会社さんに「ここを直してほしい」と伝えるときのメモとしても、そのまま使えます。

ほかの業種でよくあるつまずきも、順に書いていきます。今のホームページを直すか作り直すかで迷っているときは、「ホームページのリニューアルは必要か 部分修正との判断の目安」もあわせてご覧ください。

この記事の改修例は、よくある形を組み合わせた架空のものです。直したからといって、予約や問い合わせが増えることをお約束するものではありません。また、広告の決まりについての法律の判断は、保健所や弁護士などの専門家の領域です。

よくある質問

鍼灸院のホームページは広告の決まりの対象ですか

2025年2月に厚生労働省が出したガイドラインでは、院のホームページは原則として法律でいう「広告」には当たらないとされています。ただし、ホームページに載せるべき内容(費用・回数券の中身・施術のあとに起こりうることなど)と、載せるべきでない内容(証明できない言い切り・ほかと比べる言葉など)が示されています。検索結果に出すお金を払った広告や、条件に当てはまるSNSの投稿は「広告」として扱われます。また、こうした有料広告からリンクしているホームページも、条件に当てはまれば「広告」として扱われるため、広告を出すときはリンク先の内容も確かめます。

症状の名前をホームページに書いてもよいですか

ホームページは原則として広告に当たらないため、症状ごとのページを作っている院は多くあります。ただし、チラシ・看板・検索の有料広告には症状の名前は載せられません。ホームページに書く場合も、「必ず治る」のような言い切りは避けます。迷うときは、院のある地域の保健所に確かめてください。

料金はどこに載せるのがよいですか

初めての人がいちばん知りたいのは、初回に合計いくらかかるかです。「初回は合計〇円・およそ〇分」を最初の画面に出し、内訳や回数券の回数・有効期限は、料金や回数券を案内している所に、ほかの説明と同じ大きさの文字で書く形がおすすめです。国のガイドラインでも、こうした内容を別のページに回したり、極端に小さな文字にしたりすることは控えるよう示されています。

直すにはホームページを作り直す必要がありますか

この記事の6つは、多くが今のホームページのまま直せることです。チェック表を今の制作会社さんに見せて、相談してみるのも1つの方法です。

うちの院はどうか見てほしいときは

院の名前とホームページのアドレスを送っていただければ、この記事のような点を外から分かる範囲で確認して、無料でお伝えします(かんたん診断)。こちらから今の制作会社に連絡することはありません。今の制作会社さんとのお付き合いはそのままで、直す所の一覧だけお渡しすることもできます。

  • 見る所:検索やGoogleマップでの見え方、スマホでの読みやすさ、問い合わせや予約のしやすさ
  • お返しするもの:見つかったことと、先に直したい3つをまとめたかんたんなレポート
  • お申し込みのあと、通常2日以内に、ご入力いただいた連絡先へお返事します

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