制作会社を変える前に
手元に残しておくもの
文章や写真、ログインのための情報、お店のメール。別の会社に頼むと決める前に、お店の手元にそろえておきたいものと、その残し方をまとめました。
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「ホームページを別の会社にお願いしたい。でも、今のページの文章や写真はどうなるんだろう」。そんなご相談をいただくことがあります。
ホームページは、見えているページだけでできているわけではありません。中身(文章・写真)と、それを動かすための鍵(ログインのための情報)が、あちこちに分かれて置かれています。お店の手元にないものは、話を切り出したあとで1つずつお願いすることになります。
だから、そろえるのは「変える」と決める前がおすすめです。今の会社に不満がなくても、担当の方が替わったり、思わぬ事情で連絡が取りにくくなったりすることはあります。手元にあれば、どちらに転んでも困りません。
この記事では、残しておきたいものを3つに分けて説明します。
- 中身:ページの文章・写真・お知らせの記事
- 鍵:ドメイン・サーバー・Googleのお店情報などに入るための情報
- 見落としやすいもの:お店のメールアドレス・問い合わせの届け先・契約の書類
1.中身を残す
今のページを丸ごと記録する
いちばん手軽なのは、各ページをPDFにして保存する方法です。パソコンのブラウザでページを開き、印刷の画面で、送り先を「PDFに保存」にします。ページ数が多い場合は、トップ・サービス・料金・お店の紹介・アクセスなど、お客様がよく見るページから始めましょう。
PDFは「どんな文章が、どんな順番で載っていたか」の記録になります。新しいホームページを作るときの下書きとしても使えます。
写真は元のデータを集める
ページに表示されている写真は、軽くするために小さく縮められていることがよくあります。新しいページに使うなら、撮ったときの大きいデータが必要です。
- 自分たちで撮った写真:スマホやパソコンの中から探し、1つのフォルダにまとめる
- 制作会社やカメラマンが撮った写真:元のデータを渡してもらえるか、今の会社に確認する
お知らせやブログの記事
WordPress(ワードプレス)で作られている場合、管理画面の「ツール」→「エクスポート」から、記事の文章をまとめて書き出せます。ただし、この書き出しには写真そのものは入りません。写真は別に保存しておきましょう。管理画面に入れない場合は、記事をPDFにして残します。
使い続けてよいかは契約書で確かめる
制作会社が書いた文章や、依頼したカメラマンが撮った写真は、別の会社のホームページでも使い続けてよいとは限りません。契約書に「著作権」や「納品物の権利」について書かれている部分がないか、見ておきましょう。書かれていなければ、今の会社に確認します。
2.鍵の持ち主を確かめる
ここでいう「鍵」は、管理画面に入るためのIDやパスワード、管理者としての権限のことです。ホームページのまわりには、次のような鍵があります。
| 鍵がかかっているもの | なくすと困ること |
|---|---|
| ドメイン(ホームページのアドレス) | 今のアドレスを新しいホームページで使えない |
| サーバー(ホームページの置き場所) | 今のページやデータを取り出せない |
| ホームページの管理画面 | 文章や写真を自分で直せない |
| Googleのお店情報(地図に出るページ) | 営業時間や電話番号を変えられない |
| Search Console・アクセス解析 | これまでの見られ方の記録が見られない |
| SNS・LINE公式アカウント・予約サービス | お客様への連絡や予約の受付を自分で続けられない |
ドメインとサーバー、Googleのお店情報の名義の調べ方は、別のコラム「ドメインとサーバーが誰の名義か、自分で調べる方法」で説明しています。
見落としやすいのは、SNSや予約サービスのアカウントです。立ち上げを手伝ってもらったときに、制作会社の方のメールアドレスで登録されていることがあります。お店のメールアドレスで入れるか、お店の方が管理者になっているかを確かめましょう。
Googleのお店情報やSearch Consoleは、お店のGoogleアカウントを「オーナー」や「所有者」として追加してもらう形にしておくと、会社が替わってもお店の側に権限が残ります。
3.見落としやすいもの
お店のメールアドレス
info@お店の名前.com のように、ホームページと同じアドレスを使ったメールは、ホームページと同じ契約の中に入っていることが多いものです。ドメインやサーバーを移すときに設定が切れると、メールが届かなくなったり、これまでのメールが見られなくなったりします。
- どの契約の中にメールが入っているかを確かめる
- 残しておきたいメールは、パソコンなどに保存しておく
- 名刺やチラシ、取引先への登録に、このアドレスを使っているところを書き出す
問い合わせフォームの届け先
ホームページの問い合わせフォームから届くメールが、お店ではなく制作会社にも届く設定になっていることがあります。どのアドレスに届いているか、聞いておきましょう。新しいページに切り替えた日に、問い合わせが届かなくなる事故を防げます。
契約書・利用規約・請求書の控え
契約のときの書類と、毎月・毎年の請求書は、いつでも出せるところにまとめておきます。何にいくら払っているか、いつ更新になるかを確かめるときの、いちばん確かな資料になります。
手元に残すものの一覧表
ここまでの内容を、1枚の表にしました。しるべーじゅがご相談をお受けするときも、この表の「手元にある?」の欄を一緒に埋めるところから始めます。分からない欄は「未確認」で大丈夫です。
| もの | 残し方 | 聞く先・調べる先 | 手元にある? |
|---|---|---|---|
| ページの文章 | 各ページをPDFで保存 | 自分でできる | |
| 写真の元データ | 1つのフォルダにまとめる | 自分のスマホ・今の会社 | |
| お知らせ・ブログの記事 | 書き出し、またはPDF | 管理画面・今の会社 | |
| 文章・写真の権利 | 契約書の該当部分に印をつける | 契約書・今の会社 | |
| ドメイン・サーバー | 名義と入れる人を記録 | 請求書・名義の調べ方 | |
| ホームページの管理画面 | 入れる人を記録 | 今の会社 | |
| Googleのお店情報 | お店のアカウントをオーナーに | 設定した人 | |
| Search Console・アクセス解析 | お店のアカウントを所有者に | 今の会社 | |
| SNS・LINE・予約サービス | 登録のメールアドレスと管理者を確認 | 立ち上げを手伝った人 | |
| お店のメール | どの契約に入っているか確認・保存 | 今の会社・請求書 | |
| 問い合わせフォームの届け先 | 届くアドレスを記録 | 今の会社 | |
| 契約書・請求書 | 1か所にまとめる | 自分の書類・今の会社 |
そろえるときに気をつけること
- パスワードを勝手に変えたり、データを消したりしない。契約中は、今の会社が管理を受け持っている部分があります。変えるのは、話がまとまってからにしましょう
- パスワードは、メールやLINEでそのまま送り合わない。紙に書いて保管するか、パスワードを管理するアプリにしまっておきます
- お願いするときは「手元に控えを置いておきたい」と伝えれば十分です。変えるかどうかを決めていない段階で、理由を詳しく話す必要はありません
しるべーじゅがお手伝いした丸山商店さまでも、まず管理画面やサーバーのログイン情報を、店主さんご自身が管理できる形に集めるところから始めました。鍵が手元にそろうと、「直すか、作り直すか、このまま続けるか」を落ち着いて選べるようになります。
この記事は、制作会社を変えることや、契約をやめることをすすめるものではありません。契約の内容や権利についての法律の判断は、弁護士などの専門家の領域です。ここでお伝えしているのは「お店の手元に何があるかを確かめ、控えを残す方法」までです。
何が手元にあるか分からないときは
お店の名前とホームページのアドレスを送っていただければ、外から分かる範囲を無料で確認してお伝えします。契約や名義、鍵の持ち主まで一緒に確かめる「しっかり診断」もあります。